犬を飼い始めたら、まずしつけをどうすればいいのかと考える人は少なくありません。
基本的には、子犬の時期から始めるべきですが、具体的にどのようなしつけをしていくべきかを以下で見ていきましょう。

一つ目は、「上下関係を作らない」。
一昔前は、「犬は上下関係を作りたがる」「犬は家族に順位を付けている」などという意見がまかり通っていましたが、昨今ではいろいろな研究により、特に上下関係を求めてはいないことが明らかになっています。また、叩くなどの体罰を加える方法も、問題行動がよりひどくなるだけだということが判明しています。
昨今では、犬と飼い主との関係は、上下関係というよりも親子関係に近いということが分かってきているので、何よりも犬に信頼してもらえるようになりましょう。

二つ目は、「飼育環境を見直す」。
特に子犬の場合、飼い主との生活環境では初めて見る物ばかりあります。
また、危険という概念がないので、危ないものに不用意に近付いたり、口にしたりしてしまうことがあります。
人間の子供と同じく、子犬も自発的に身を守らせるということは困難なので、飼い主自身が安全な環境を作り出さなければなりません。
「キッチンや階段などにはゲートを置いて入れないようにする」「口に入れたら危険な物は届く所に置かないようにする」「電気のコードにはカバーを付けてガードする」などといった対策が考えられます。

三つ目は、「社会科教育を行う」。
社会化教育は、飼い主との絆づくりや問題行動の予防にはとても大切です。
生後3週目から12週目までは社会化期とされており、成長後の嗜好性などを最も形成しやすい時期であり、いろいろな刺激などにも慣らしやすい時期でもあります。
むろん、12週目以降も即座に社会化は終わりませんが、ピークを過ぎてからだと自我が強くなってくるので、問題行動が起きやすくなるおそれがあります。
ですから、犬を迎え入れる前から社会化教育に関する知識などを得ておかなければなりません。