ゴンとの出会いはもう18年以上前になります。ゴンは妻と息子が城南島の保護センターからもらった保護イヌです。私は城南島へは行っていません。妻いわく、私が行くと全部連れ帰るといいて聞かない可能性があるとのことで連れて行ってhもらえませんでした。妻から聞いた話では城南島には殺処分される予定のいぬが他にも何匹かいて、みんな震えていたそうです。人間の勝手でこういった生き物がいることはとても切ないです。私とゴンが初めて会ったのは仕事終わりで帰宅した時でした。

突然檻の中から一般の家庭に来たので、隅に隠れ震えてなかなかごはんも食べてくれず、困った記憶があります。まず最初にどのように飼育するか家族みんなで話し合いをしました。落ち着くまでは部屋の中でなるべく一緒の空間で過ごすことにしました。しかし、なかなか慣れることがむずかしい状況でした。そこでいったん外で飼育してはと考え、室外で飼育することにしましたが、ここでちょっとした問題が起きました。室外で飼育を始めたところ、穴を掘って隠れようとするのです。

それも猛烈な勢いで穴を掘ってしまうのです。これには家族一同頭を抱え、やはり室内で飼うことにしました。徐々に慣れて来たところで、少しづつ散歩をするようになりました。最初は猛烈に怖がり、一歩も歩こうとはしませんでした。根気強くすこしづつ歩かせること数週間やっと歩いてくれるようになりました。そんな折、息子と近くの公園へゴンを連れて行くことにしました。最初のうちはゴンも楽しんでいたようですが水が流れる所を通ろうとしたとき、一歩も動けず、震えてしまったことを覚えています。保護される前に水でいやな思いがあったのかもしれません。

ゴンには困ったことがありました。脱走です。ちょっと目を離したすきに家から脱走をするのです。ある時は旅行をするので動物病院に預けに行ったのですが、そこを脱走し、大騒ぎで病院の職員を含めて大捜索です。でも誰よりも早く家に帰っていました。そんなゴンも16歳を過ぎたころ人間と同じでボケが始まりました。部屋の中をグルグルただグルグル回り続けるのです。17歳を過ぎたころには癲癇も発症しました。そんなゴンもいろいろな思い出を私たちに残してくれました。とても幸せな17年と4カ月でした。